ワインラベルの一部の表示により、
中国で適法に販売できなくなる可能性

同規格は 2025 年 3 月に公布され、2027 年 3 月 16 日から施行されます。第 8.1 条は、輸入包装済み食品のラベル上に見えるすべての表示内容(外国語、中国語ラベルおよびその他の説明物の内容を含む)が、中国の法律、法規および食品安全基準に適合しなければならないと定めています。
現行の GB 7718-2011 は、主に外国語の内容と中国語の内容が対応していることを求めています。新規格はこの要求をラベル上のすべての可視内容に広げ、輸入包装済み食品について専用の規定を設けました。これに基づき当社は、元のボトルの表ラベル、裏ラベル、ネックラベルにある英語、フランス語、イタリア語などの外国語表示も、同様に中国の関連規定に適合する必要があると判断しています。
「不添加」系の表示
新規格第 4.4.2.2 条は、「不添加(添加していない)」「不使用(使用していない)」およびその同義語の使用を禁じています。
No added sulphites、Sans sulfites ajoutés、Senza solfiti aggiunti などの表示は、いずれも「亜硫酸塩を添加していない」という意味です。条文は外国語の表現を一つひとつ挙げてはいませんが、当社の理解では、これらの外国語表示も「不添加」系に分類される可能性があり、外国語に言い換えるだけで規定を回避できるとは限りません。
「無」「不含(含まない)」系の表示
第 4.4.2.1 条は、食品添加物について「無」「不含」などの語を用いて強調表示してはならないと定めています。
中国では、二酸化硫黄は食品添加物として管理されています。そのため、Sulphite-free、No sulphites などの表示は、検査結果が 0 であっても記載できません。Preservative-free も同様です。
食品添加物以外の成分については、含有量が 0 の場合に限り「不含」などの強調表示を使用できます。辛口ワインにも通常は一定量の残糖が含まれており、残糖量が 0 でない製品に Zero sugar と表示すべきではありません。
健康・効能に関する表示
第 3.5 条は、文字、図形、記号などにより、食品が疾病の予防・治療の作用を持つことを明示または暗示してはならず、保健食品以外の食品は保健機能を明示または暗示してはならないと定めています。そのため、裏ラベルにあるレスベラトロール、抗酸化、「心臓の健康によい」といった記述は、慎重に扱う必要があります。
近年、一部のブランドは「飲んでも頭痛にならない」「二日酔いしない」といった表現を使っています。こうした表現は、科学的根拠を欠く、あるいは誇大であると判断されるおそれがあります。
新規定の対象となる製品
新旧どちらの規定が適用されるかは、輸入日ではなく製造日で区切られます。『食品標識監督管理弁法』の実施に関する公式問答では、製造日とは包装工程が完了した日であることが明確にされています。ワインの場合、通常は瓶詰め日がこれにあたります。
したがって、2027 年 3 月 16 日以降に瓶詰めされたワインは、新規定の要件を満たす必要があります。それより前に瓶詰めされた製品は、ラベルに禁止事項にあたる内容があれば、施行日以降は販売を続けることができません。中国当局が挙げている例は、まさに「零添加(ゼロ添加)」です。禁止事項にあたる内容がなければ、賞味期限の到来日まで販売を続けられます。
新規格でもワインは賞味期限の表示が免除されているため、こうした製品には事実上、明確な販売期限がありません。
ただし、「不添加」系と「無」「不含」系の表示は、いずれも禁止規定の対象です。当社の理解では、元のラベルに No added sulphites などの文言が印刷され、それが覆われていないワインは、瓶詰めの時期にかかわらず、2027 年 3 月 16 日以降、中国で販売を続けられなくなるリスクがあります。
ワイナリーと輸入業者の対応
同規格の公式問答では、ラベルの貼付などの方法で覆われた外国語は翻訳する必要がないことも明確にされています。輸入業者は、中国語ラベルを貼ってこうした文言を覆うことができます。
該当する文言が裏ラベルの隅にあれば、覆うのは比較的簡単です。しかし表ラベルの目立つ位置に印刷されている場合、覆うとラベル全体の見た目を損ないます。そのため、ワイナリーがこれらの表示を残したい場合は、デザインの段階で覆いやすい位置に配置しておくとよいでしょう。
中国市場専用の製品については、原産国でラベルを印刷する段階でこれらの表示を削除することをお勧めします。適合するかどうか判断しにくい表示は、印刷前に輸入業者または通関サービス事業者に確認を依頼しておくのが望ましく、そうすれば貨物が中国に到着してから対処する事態を避けられます。
筆者が所属する W&S Logistics Center Co., Ltd(上海)は、ワインおよび日本酒の輸入通関と中国語ラベルに関する業務を手がけています。